介護における苦しみを考えてみました。その2
認知症の父親と住んで、私にとって、辛かったのは感情的な問題でした。
ほとんどの介護者もそうだと思います。
説明しても解ってもらえない、止めても聞かない、疑われる、罵倒される‥。
いろんな本を読んだり、インターネットで認知症の理解と対応方法を仕入れましたが、腹が立つのはどうしようもありません。
そんな毎日の中で身に付けたワザは、「忘れる」でした。
全く忘れてしまう事は無理ですが、自分の機嫌を直すことに専念し、思いを引きずらないようにしました。
と言っても、ほとんどは意識的にやった訳ではなく、イライラの気分のまま掃除や料理を始めたり、犬と散歩すると、自然に目の前の事に没頭しています。風呂場や台所がピカピカになり、大量の野菜のみじん切りが出来て達成感を味わうと、気分は良くなってしまうのです。
現在の父親は症状が進み、言葉自体の意味が解らない事も多いようで、罵倒したくても、罵る言葉が出てこないのではないかと思います。
で、2週間に1回くらい「ありがとう」とか言うので、私の方が驚いてしまうのでした。