老人とわんこ

認知症の親父と犬との日々

乳ガン、肺ガンターミナル期、うちの犬の症状

認知症の介護について書こうと思っていたのに、大切な相棒の方の病が進行してしまいました。私は看護師という職業柄、多くの人の終末期を見て来ましたが、言葉でのコミニュケーションが出来ない、犬については全く戸惑う事が多過ぎます。だからこそ、先入観に捉われずによく観て考え、プロ(動物病院の先生)に相談し、お世話していくことが大切と思います。

5月中旬、急に呼吸状態が悪化しましたが、抗生剤を飲み、一旦は近所の散歩も可能なくらい改善。咳など肺炎の症状は無いのですが、徐々に呼吸困難は強くなってきているようです。

最近は朝と、夕方から夜にかけて呼吸が荒く速くなり、その時必ず出口を探すように、歩き回ります。余計に酸素を消費するので、ジッとしておいて欲しいのですが、止められません。部屋の隅や壁にぶつかり、しばらく困った様な表情で途方に暮れて違う方向へ歩き出す。時々フラつきながら1時間から2時間、呼吸回数は1分間100回を超える速さの時もあります。朝より夕方の方が症状も表情も険しく、私は酷くぶつからない様に見守っておりました。その様子は庭でも部屋の中でも同様です。

3日前の夕方、この日は仕事で一緒に連れて行き、うちに帰ってからウロウロし始め、1時間程後に漸く落ち着いたと思った時、また低酸素による痙攣(と思う)が起きました。肺炎が落ち着いてからなかった事なので、油断しておりました。脚が少し突っ張ったと思ったら、眼を見開き、身体が仰け反り、開けた口からは紫暗色の舌が伸びきり、涎を流して、とっさに抱き抱えて酸素マスクを当てるのですが、腕から逃れようとし、大声で鳴いたのです。今迄聞いたことが無い、酷く殴られたかの様な叫びでした。その後腕の中でしばらく、眼を見開いたまま全身でハッハッハッハッと速い呼吸を繰り返します。5分か10分かそうしてから、ようやく我に帰った様な表情が見られました。それでもすぐに呼吸が楽になることは無さそうで、1時間位は荒い呼吸をして、ウツラウツラ寝始めたのでした。

痙攣が無くても呼吸回数は多くて、眠っている時以外はキツそうです。私も見ているとつらい気持ちにもなりますが、ただ一生懸命息をしている、犬の傍に居たいと思います。

犬の病状は少しづつ悪化して…

咳や喘鳴は殆ど無くて、毎日なんとか食べている抗生剤のおかげと思います。2日前までは調子が良く、少しだけ散歩してみたり、食べる物も久しぶりに手羽先と野菜の煮込みを半分くらい口にしました。

昨日から、呼吸困難が強くなった様で、困った様な表情で力無くウロウロ歩き回っている時間が長くなっています。苦しい場所からの出口を探すように歩き、その後グッタリと寝るのですが、今迄、真横に寝ていたのが、何回も起き上がったり、伏せに近い格好のままウツラウツラしています。

今日はその体勢で寝言を言って、シッポを振っていたので、夢を見てるのでしょう。今後どの様な症状が表れ、どれ程苦しい思いをするのか判らないですが、酸素マスクを持って回り、傍に居て見守るしかないと思います。

f:id:roujinwanko:20170607115948j:plain

現実逃避の休日

仕事は非正規のパートである事で、勤務日数は抑えています。

丁度月の半分、休みにしているけれど、犬の体調や気温は選べないので、これからどうなるのか…

今でも車の中では、時々落ち着かない様子もあり、呼吸が速くなると途中でも止まって外に出した方がいいのかと、オロオロ考えたりします。

職場に着いても、外の庭で大丈夫か、玄関の所へ入れさせてもらうか、様子見ながら過ごさせており、しかし勤務時間はシッカリ時間給分は働かねばならず、昼休み以外はあまり構う事は出来ません。今迄もそうだったので、そこは解っているのか、殆どゴロンと寝ています。

休みの日は好きな時に外へ出て庭をパトロールしたりしていますが、最近はやはり横になっている時間が長くなりました。一時期呼吸困難がひどい時は、身体を横にも出来ない感じでキツそうに動き回ったり、寝ても直ぐに起き上がったりしていました。私も心配で、苦しさだけでも取れないかと、イライラしながら様子を見つめたり、溜め息をついたりでした。

今は少し落ち着いていますが、決して癌が縮小した訳ではなく、肺炎が改善しただけ。いずれまた苦しい思いをするかも知れず、息が出来なくなるのが遠い先の事ではないことも頭では解っているつもりです。私は苦しい様子を見る事がつらいのか、死がつらいのか、多分その両方が耐え難く感じられ、考えたくない。

f:id:roujinwanko:20170603141502j:plain

終日横になって静かな呼吸音が聞こえている、休みの2日間、現実逃避。荻原浩さんの小説を一気読みして、アマゾンでまた、本を注文したところです。

進行した癌の犬が食べる物は人間の考えの考えが及びませぬ

ずっとドッグフードをあげていました。

引っ越ししてから、私が時間に余裕が出来て2年前からは、手作りのごはんをあげていました。

先ず、手羽先の先だけを圧力鍋で煮て、骨が指で潰せる位にして、野菜をたくさん投入。きのこやおからも入れて煮込み、小分けして冷凍保存します。

毎日、少しのご飯と混ぜてあげると、お皿がピカピカに光る位に食べていました。

乳癌の肺転移が判り、主治医の先生も食事制限しなくていいと言われてからは、愛犬用お肉もたくさん混ぜてたっぷり食べておりました。

呼吸が苦しそうになってからは、さすがに食べる量が減り、大好きなはずの肉も食べなくなりました。

抗生剤や抗炎症剤は食べさせないといけないし、鳥のレバーに埋めて食べさせていましたが、レバーも口にしなくなりました。

ついに人間用の肉も焼いてみましたが、見向きもしません。今は、肉巻きガムやアキレスなどの硬いおやつだけ、かろうじて食べています。薬はおやつに埋め込み、なんとか口に入れています。

先生は個体差が大きいから、食べるものをあげてね、と言われますし、もちろんいろんな物を並べてどれでも食べれるようにしていますが、今、うちの犬は乾き物だけです。先生も、珍しいですね、と言われてました。

犬が好みそうな物、と思っても、人間が考えるものとは必ずしも一致しません。焦らずいろいろと試していこうと思っています。

f:id:roujinwanko:20170601215214j:plain

呼吸困難がある犬との過ごし方はどうすればいいのか迷います

この一週間程、犬の症状は最悪を脱して、少し落ち着いたと言えます。

しかし、私はだんだんと気持ちが沈んできて、仕事が休みの日は、最低限の買い物、掃除、食事の用意をして、あとはずっと犬を眺めていました。

少し調子が良さそうな時、近所を一緒に歩いたりしましたが、あまり歩くと負荷がかかり過ぎると思い、すぐに帰って来ます。

スヤスヤと寝ている顔を見て、他に何もやる気がせずに、気がつくと夕方、父親がデイサービスから帰ってくる時間になっています。

今日は終日曇りでいつも程気温が上がらなかったため、つい、お気に入りの散歩コースに行ってみました。車で10分、小さなダム湖の周囲で、今迄の3分の1も歩かなかったけれど、シッポ上向きで歩いている時はきっと犬も楽しいのだろうと、勝手に考えていました。

うちに帰ってから、さすがにキツそうでしたが、薬入りのご飯も少し食べ、寝たので口元に酸素マスク置きました。

私の方は、久しぶりに犬の上向きシッポを見たせいか、こうして文字を叩く気持ちが出てきたところです。

f:id:roujinwanko:20170531213604j:plain

人間の側の勝手な予測と諦めについて反省。

うちの犬が乳がんと転移性肺がんになっていると言われて、5ヶ月が経とうとしています。

最近低酸素による痙攣を起こして、咳と喘鳴の症状が出てから、看取りを覚悟していた私は、もう坂を下る事しか考えていませんでした。ただ、苦しみを減らす為にはどうすればいいか、主治医に電話で相談して抗生剤を飲むと、症状は改善しています。癌という病名から、進行する、不可逆的なものと思い込んでいました。

見ていられない程の苦しそうな症状は、今のところないのですが、1日に1〜2時間位は落ち着き無く歩き回り、困った様な顔と下がったシッポ、何か訴えるようなクウンという鳴き声は、理解出来ない焦りや悲しさを覚えます。

看護師である私は、今迄何人もの看取りを経験しており、母親の臨終もありましたが言葉による意思の疎通が無いと、これほど不安で何も出来ない無力さを感じるとは思っていませんでした。

今朝、夢を見たのですが、犬と一緒に出掛けてそこで少し離れた時、犬が居なくなり必死で探し回って、焦って、探している最中に目が覚めました。すぐに現実の犬の姿を見つけ、安心したのですが、探し回っている時の気分はずっと続いていました。

今は犬が起きている時キツそうにしている事が多いけれども、寝ている時は穏やかな顔で、その時間が安らぎます。

f:id:roujinwanko:20170526213020j:plain

親の介護1割、犬の介護9割

父親は元の状態とは言えませんが、手を貸せば歩く事ができ、食事も自力で箸を使って食べられるところまで、回復。ディサービスへも週6日行っているので、あまり手がかからなくなりました。

犬の方は、抗生剤が効いているようで、少し楽な様子ですが、時々ウロウロ歩き回る以外はぐったり身体を横たえています。それでも、いつも呼吸状態は気になり、食欲が落ちているけれど、何なら食べるだろうと考えたりで、休みの日はあっと言う間に時間が過ぎていきます。

昨日は仕事で、いつものように連れて行ったのですが、片道30分の車の中も大丈夫だろうかとヒヤヒヤしながらでした。職場の庭では案外涼しい場所を探して寝て、午後になると優しいスタッフがクーラー付けている部屋の中へ入れてくれました。帰りの車中では普段の様に「お腹すいた」とおやつを要求し、あげるとバリバリ食べていました。で、家に着いてまだ食べたい感じだったので大好きな愛犬用肉を焼いてあげたのですが、全く食べません。解らない事も多いけれど、何か食べるならそれでよし、です。

私自身も食欲が無くなり、食べたい思う物が思い浮かばなくなっていますが、こういう時に食べることをいい加減にしていると、いつ迄続くか解らない挫けそうな生活を乗り切れないので、お野菜中心に作りおきします。