老人とわんこ

認知症の親父と犬との日々

進行した癌の犬が食べる物は人間の考えの考えが及びませぬ

ずっとドッグフードをあげていました。

引っ越ししてから、私が時間に余裕が出来て2年前からは、手作りのごはんをあげていました。

先ず、手羽先の先だけを圧力鍋で煮て、骨が指で潰せる位にして、野菜をたくさん投入。きのこやおからも入れて煮込み、小分けして冷凍保存します。

毎日、少しのご飯と混ぜてあげると、お皿がピカピカに光る位に食べていました。

乳癌の肺転移が判り、主治医の先生も食事制限しなくていいと言われてからは、愛犬用お肉もたくさん混ぜてたっぷり食べておりました。

呼吸が苦しそうになってからは、さすがに食べる量が減り、大好きなはずの肉も食べなくなりました。

抗生剤や抗炎症剤は食べさせないといけないし、鳥のレバーに埋めて食べさせていましたが、レバーも口にしなくなりました。

ついに人間用の肉も焼いてみましたが、見向きもしません。今は、肉巻きガムやアキレスなどの硬いおやつだけ、かろうじて食べています。薬はおやつに埋め込み、なんとか口に入れています。

先生は個体差が大きいから、食べるものをあげてね、と言われますし、もちろんいろんな物を並べてどれでも食べれるようにしていますが、今、うちの犬は乾き物だけです。先生も、珍しいですね、と言われてました。

犬が好みそうな物、と思っても、人間が考えるものとは必ずしも一致しません。焦らずいろいろと試していこうと思っています。

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呼吸困難がある犬との過ごし方はどうすればいいのか迷います

この一週間程、犬の症状は最悪を脱して、少し落ち着いたと言えます。

しかし、私はだんだんと気持ちが沈んできて、仕事が休みの日は、最低限の買い物、掃除、食事の用意をして、あとはずっと犬を眺めていました。

少し調子が良さそうな時、近所を一緒に歩いたりしましたが、あまり歩くと負荷がかかり過ぎると思い、すぐに帰って来ます。

スヤスヤと寝ている顔を見て、他に何もやる気がせずに、気がつくと夕方、父親がデイサービスから帰ってくる時間になっています。

今日は終日曇りでいつも程気温が上がらなかったため、つい、お気に入りの散歩コースに行ってみました。車で10分、小さなダム湖の周囲で、今迄の3分の1も歩かなかったけれど、シッポ上向きで歩いている時はきっと犬も楽しいのだろうと、勝手に考えていました。

うちに帰ってから、さすがにキツそうでしたが、薬入りのご飯も少し食べ、寝たので口元に酸素マスク置きました。

私の方は、久しぶりに犬の上向きシッポを見たせいか、こうして文字を叩く気持ちが出てきたところです。

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人間の側の勝手な予測と諦めについて反省。

うちの犬が乳がんと転移性肺がんになっていると言われて、5ヶ月が経とうとしています。

最近低酸素による痙攣を起こして、咳と喘鳴の症状が出てから、看取りを覚悟していた私は、もう坂を下る事しか考えていませんでした。ただ、苦しみを減らす為にはどうすればいいか、主治医に電話で相談して抗生剤を飲むと、症状は改善しています。癌という病名から、進行する、不可逆的なものと思い込んでいました。

見ていられない程の苦しそうな症状は、今のところないのですが、1日に1〜2時間位は落ち着き無く歩き回り、困った様な顔と下がったシッポ、何か訴えるようなクウンという鳴き声は、理解出来ない焦りや悲しさを覚えます。

看護師である私は、今迄何人もの看取りを経験しており、母親の臨終もありましたが言葉による意思の疎通が無いと、これほど不安で何も出来ない無力さを感じるとは思っていませんでした。

今朝、夢を見たのですが、犬と一緒に出掛けてそこで少し離れた時、犬が居なくなり必死で探し回って、焦って、探している最中に目が覚めました。すぐに現実の犬の姿を見つけ、安心したのですが、探し回っている時の気分はずっと続いていました。

今は犬が起きている時キツそうにしている事が多いけれども、寝ている時は穏やかな顔で、その時間が安らぎます。

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親の介護1割、犬の介護9割

父親は元の状態とは言えませんが、手を貸せば歩く事ができ、食事も自力で箸を使って食べられるところまで、回復。ディサービスへも週6日行っているので、あまり手がかからなくなりました。

犬の方は、抗生剤が効いているようで、少し楽な様子ですが、時々ウロウロ歩き回る以外はぐったり身体を横たえています。それでも、いつも呼吸状態は気になり、食欲が落ちているけれど、何なら食べるだろうと考えたりで、休みの日はあっと言う間に時間が過ぎていきます。

昨日は仕事で、いつものように連れて行ったのですが、片道30分の車の中も大丈夫だろうかとヒヤヒヤしながらでした。職場の庭では案外涼しい場所を探して寝て、午後になると優しいスタッフがクーラー付けている部屋の中へ入れてくれました。帰りの車中では普段の様に「お腹すいた」とおやつを要求し、あげるとバリバリ食べていました。で、家に着いてまだ食べたい感じだったので大好きな愛犬用肉を焼いてあげたのですが、全く食べません。解らない事も多いけれど、何か食べるならそれでよし、です。

私自身も食欲が無くなり、食べたい思う物が思い浮かばなくなっていますが、こういう時に食べることをいい加減にしていると、いつ迄続くか解らない挫けそうな生活を乗り切れないので、お野菜中心に作りおきします。

犬の肺癌。呼吸の様子に一喜一憂してしまいます。

転移性の肺癌のため、咳、喘鳴、低酸素による痙攣を2夜連続で起こしましたが、抗生剤を投与してから、痙攣は見られません。

食欲は落ちて、抗炎症作用があると言われてせっせと食べさせていた青魚も食べなくなりましたが、肉やレバーは何とか口にしています。

時々10分〜20分くらい、この苦しい場所からの出口を探すようにウロウロ歩き回り、そんな時はどうしようもなく、私の方も悲しい気持ちで見ています。

今日は昼間かなり気温が上がったので、クーラーで部屋を冷やしてると、午後中寝ていました。呼吸回数は多く、決してスヤスヤという感じでは無いのですが、目を閉じて寝ているだけで、安心してしまいます。次に目覚めた時には、劇的に症状が改善しているのではないかとの期待を持ってしまう程です。

犬といっても、病気も様々と解っていたつもりになっていましたが、何の根拠もなく、うちの犬は歳をとったらじわじわと動けなくなり、オムツを替えてあげて…と想像しておりました。ツラくてジッとしていられない、苦しみがあるなど考えもしませんでした。当たり前であった、穏やかな表情を見ることが、今一番の楽しみになっています。

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犬の症状と、酸素ハウスの効果は?

酸素濃縮器と透明のハウスを再度レンタルしてから一週間程経ちます。

ハウスの中には今まで寝ていたベットを入れておやつで誘導してみると、スンナリ入ってくれるのですが、酸素のスイッチを入れると、意外に大きな音がハウスの中に響いており、落ち着きませんでした。

うちの犬は目が見えないので、余計に音が気になってしまっているのかもしれません。ハウスが無理でも、長いコードが付いたマスクがあるので、顔から少し離して吸入すれば、大丈夫と思っていました。

今までも2〜3回、低酸素によると思われる痙攣を起こしましたが、昨日も今日も痙攣からその後しばらく、ウロウロ歩き回り、1時間程も落ち着かない状態が続いて、疲れ果てて身体を横たえています。横になっても20分くらいで起きて少しウロつきます。歩き回っていた時、余計に呼吸が苦しくなると思い、抱いて動きを止めようとしたのですが、必死でもがいて歩こうとします。まるで、この苦しい場所からの出口を懸命に探しているようです。

身体を横たえた時、そっと酸素マスクを近くに置いて、痙攣が起きた時は抱いて酸素吸わせて、それによって途端に呼吸が楽そうになるという事は無いのですが、私にとって、犬のどうしようもない苦しみに対して、何かしらやるべき事があるのはありがたいことです。人間の側の自己満足だとしても…

主治医に電話で相談すると、肺炎を起こしかけてるだろうからと、抗生剤を処方されました。それが効いて楽になる事に期待しているところです。

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認知症の父親の症状変化が分かりにくい件。

連休中の発熱に始まり、アッと言う間に立てなくなり、食べる、飲み込むことが出来なくなり、褥瘡まで出来て、慌ただしくその日その日の対応に追われました。

飲み込み易そうでカロリーが摂れそうなものを買い集め、褥瘡予防マットと車椅子、スロープのレンタル手配して、介護認定の区分変更を依頼して…。

このまま、寝たきり老人まっしぐらか、と何度も考えましたが、熱が下がって4〜5日後には元のように歩き始めて、1週間後には刻み食程度を食べる事が出来る様になりました。

熱があって確実にキツそうな時も、ヒョコヒョコと歩き始めた時も、Yes、Noの2択質問さえ答えないので、どんな状態なのか本当に解り難いです。元々表情も乏しくなっており、こちらがかける声への反応や身体の動きなどから、想像するしかない。

今回は時間がかかったけれども、何とかある程度回復する事が出来ました。同居してからの1年半を思い返すと、最初の1年程は風邪を引いても薬を飲めば直ぐに治っていたのです。ここ半年位、肺炎は起こしませんが、月に1度の割で熱を出し、その都度治っても意志の疎通が難しくなり、自分で出来る事が減っていってます。

80出来ていた事が、70、60、となり、今回は一旦10になってから、40になった感じです。階段を下りる様に今後も認知症は進行していくのでしょう。

しかし、明らかな認知の症状が現れてから、8年程経過していますし(その間抗認知症薬は全く飲まず)、緩やかな経過だと思います。

それにしても、今回の様な状況の時に多くの介護者は、私以上に大変な思いをされている事と思います。私は10年程介護や在宅看護の現場で働いているので、歩ける人が急に歩けなくなった時、電動ベットを駆使、リハビリパンツを紙オムツに変え、嚥下状態に合った物を食べさせ、何とかデイサービスに送り出し、という事が出来ましたが、経験が無い人、ましてや高齢の方とかだと、一晩で参ってしまうでしょう。

頼みは、家族、ケアマネージャーや介護のスタッフ、主治医の先生でしょうが、休日なども対応してくれる先生は少なく、往診が頼めなければどうにかして連れて行かねばなりません。他の家族は近所に居ても助けて欲しい時に動けるとは限らず、介護事業者職員の役割は重要で、改めて己れの仕事にも活かさねば、と考えます。